実に興味深い。
なんといっても先週のPTテーロスで、プロプレイヤーたちに「ジェイスよりひっどい」と言わしめた直後に再びご登場である。
上位テーブルを見る限りでは、そうではなかったようだ。少なくとも今回は。

青信心が抱える悩みのひとつは、4マナ域が多すぎることだ。
波使い、タッサの槍、さらにはジェイスまであって、どれも4積みしたいくらいに強いけれど、どうにか目を瞑って8枚になるまで減らさなければデッキが回らない。
まず、ジェイスは、ミラーマッチでは最高だし、採用するのは誰も文句ないだろう。
それは、今回のGPのTop8がコントロールデッキばかりなのを見ても間違いない。(このつまようじでケーキでもつまむつもり?)
毎ターンたくさんのカードを引けるのは、黒ベースのデッキとの消耗戦で、除去の波を押し返して勝ちきることができる。
Top8の初戦で、Andrew BaeckstromがTodd Andersonの黒単に勝ったときは、まさにそうした押収が繰り広げられた。
Andrewが槍を置いたときは、ゆうに6枚を超えるのカードを引いている。ジェイスの供給スピードをはるかに超えて、だ。
これによって、AndrewはAndersonの冒涜の悪魔をタップし続け、除去の波も乗り越えたのだ。

PTテーロスの赤緑といえば、コロッサルグルール(ミハラマキヒト)で、今日もたくさんこのデッキを見かけた。
JonSternの赤緑は別の方法で、勝利の加護を受けた。
ポルクラノス、ゼナゴスだけを見ると、三原プランと同じように見えるけれど、このデッキにニクソスは入ってない。
加護のサテュロスがSternのデッキの何たるかを、物語っている。
こいつは殴ってよし、瞬速で飛び出てよしの優秀なやつだ。
エルフの神秘家がブロックされなければ、サテュロスの加護で勝ちが舞い込むこともある(Sternの準決勝、3ゲーム目みたいに)

当たり前だけど、思考囲いがこれからのスタンダードでも活躍するなんてことは、みんな知ってたね。
環境が変わったばかりのこの状況で、コントロールデッキにはもちろん有効だし、信心を減らすにもうってつけだし、何より黒にとってはプレインズウォーカーに対する最高の回答のひとつ。1マナでやる仕事じゃないよ。

思考囲いが使える、ってのは、黒いコントロールデッキを使うには十分な理由だ。
2種類の破滅(破滅の刃、英雄の破滅)まで使えるってんで、今やスタンダードの新世代3大コントロールデッキ、黒信心・エスパー・オルゾフミッドレンジは真っ黒に染まっている。
こいつらは思考囲いの恩恵をものすごく受けている。正しい除去の使い先を教えてくれるし、まったく予想していないデッキへの対処にもなる。
破滅の刃で除去します、ってどこかで聞いたけど、思考囲いはさらにその前に、除去できるんだ。
相手の邪魔をすることと、情報を得ることは、いつだってマジックの王道戦略だったけど、今後もそれは変わりようがないってことだ。

http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gplou13/welcome#7

1位 群れねずみ/Pack Rats

まず安心して欲しいんだが、今は2013年で、今回のGPはスタンダードだったのは間違いないのだ。
もちろん2012年ではないし、ラブニカへの回帰のシールドトーナメントでもない。
そう、ねずみはスタンダードシーンさえも席巻チューってことなんだ。
強烈さのわりには、スタンダードでは今まで居場所を見つけられなかったねずみだったけれど、
ようやく黒に信心を捧げるべきだと、気づいたようだ。
ねずみたちの攻撃力はご存知の通り、ゲームはあっという間に片付いてしまう。
さらに地下世界の人脈でドローが強化されれいれば、グルールの高速展開よりもはやく、大きくなることさえあるもんだ。

とくに黒信心のミラーマッチでは欠かせない存在で、除去耐性の高さも当然ながら(何より黒!)、灰色商人がライフを吸い尽くすより早く、相手をかじりつくしてしまう。

Top8シングルエリミネーションでも、ねずみたちが、群れになってBrianBraun-Duinに勝利を運んできた。
準決勝ではBradNelsonとの同キャラ対決で、決勝ではJonSternのグルールを相手に、盤面を埋め尽くした。

青信心のせいで環境に全体除去を増えなければ、群れねずみが今後のスタンダードシーンに与える影響はまったくもって、小さくない。

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索